【喜界徳洲会病院より】当たり前が当たり前でなかったこと(京都府出身 看護師27年目)
私は喜界島へ来る前は、関西圏で派遣ナースとして働いていました。
コロナがきっかけで昨年5月から喜界徳洲会病院へ。
外来で離島ナースとして働き早くも1年が経ちます。
地図の中で見ると喜界島はとても小さく、聞いたことのなかった島だったので、離島ナースでなければ訪れることはないだろうと思い喜界島を選びました。
空港に着くと、初夏の様な日差しと吹き抜ける風が気持ちよかったのを覚えています。
こちらに来てから知ったことですが、喜界島は珊瑚礁が10万年間隆起を繰り返しできた世界でも稀な形成史をもつ島です。
現在でも隆起を繰り返しておりパプアニューギニア、バルバトスに並ぶ世界3本の指に入る珊瑚礁研究の聖地として知られている、そんな凄い島ですが、島の人は穏やかで島外から来た人を快く受け入れ、気軽に声をかけて下さいます。
現在島の人口は7000人を切り、今では病院は喜界徳洲会病院だけです。
本土では耳が痛い、目が見えにくいなと思えばすぐに耳鼻科、眼科にかかることができますが島にはそういったマイナー科の常勤医がいません。
マイナー科の先生は皆、島外から応援として来られます。
月に1回の先生もいれば毎週来られる先生もいますが、日が決まっているため予約してからの受診となります。
天候によっては飛行機が飛ばない事もあり島へ来ることができず、必ずしも予約をしても診察日に見てもらえる訳ではありません。
症状が強かったり早急に治療が必要な場合には、奄美大島や鹿児島へ行くことになります。
本土では行きたい病院を選び自分の予定に合わせて受信することができますが離島ではそうもいきません。
離島ナースとして働かせていただいたことで、今まで当たり前だった「病院を選び受診すること」が当たり前ではなかったことに気付く機会となりました。