患者さんの生活や生き方を支える地域医療(山梨市立牧丘病院)

2020.06.17

牧丘病院でお世話になりました池田敦子と申します。
短い期間ではありましたが、私が経験した牧丘病院での経験を報告させてもらいます。

牧丘病院は山梨県旧牧丘町にある病院です。
今回が初めての山梨県上陸となり、福岡県から飛行機・電車・バスを乗り継ぎ牧丘病院に到着しました。
絵に描いたような青い空、緑に囲まれた山々そして富士山が緊張を吹き飛ばし、これから始まる素晴らしい出会いを予感させてくれました。

離島・僻地 看護師 牧丘病院での出会い(山梨市立牧丘病院) 富士山

到着翌日から病棟で勤務することになり、再び緊張しながらも牧丘病院のスタッフの皆さんの温かさ、他県から来た私を受け入れて下さる懐の深さに感謝し、徒歩5分の道のりを出勤する毎日でした。

離島・僻地 看護師 牧丘病院での出会い(山梨市立牧丘病院) 病院の外観

患者さんは地元の方がほとんどで、「○○屋さんの、○○さん」と顔を見ればスタッフが分かるような状況です。だからこそなのか、患者さんとスタッフの距離が近く、何とも言えない温かい関係が感じられました。

受け持ちの患者さんが決まれば、退院へ向けて本人や家族が何を考えているか聞いていきます。入退院を繰り替えしている方には病院から訪問している看護師・栄養士・薬剤師から自宅での様子を聞き、在宅へ向けた準備をしていきます。

ここで驚いたのは、在宅の状況を病院のスタッフがよく知っていること!
そして、在宅へ向けた多職種の協力体制が整っていること!

在宅へ向けて、同じ方向をみてカンファレンスが行われるため、患者さんも安心して帰ることができるのではないかと思います。病院が地域住民の生活を守る上で重要なセーフティーネットになっていました。

【訪問看護の同行】
訪問看護の同行では、入院中から関わっていた患者さんの訪問を行いました。
入院中、この方はどのような生活を…?と思っていたため、訪問が楽しみでした。

病室でパジャマを着て過ごしていた方が、自宅の庭で草取りをし、「よく来てくれた」とお茶を出してくれる姿を見て、自宅で過ごすことがその人らしさを取り戻す上で一番の近道だと感じました。

牧丘病院は訪問看護師も朝の申し送りに参加、食事も同じ部屋でとるなど日頃からコミュニケーションが取りやすい環境となっています。そのため、入院と在宅の垣根が低く、スタッフ間でも自然と情報のフィードバックがしやすいと思いました。

【外出支援】
自宅療養をされているAさんの外出支援に同行しました。
外出支援に至った経緯は、牧丘病院から訪問看護・訪問診療が関わっており、本人の希望を叶えようとご家族・ケアマネさんを含めた様々な方の一致団結があったそうです。

目的地はAさんが兼ねてより行きたかった美術館です。
最高のお天気の中、Aさんの笑顔が同行されたお兄さんの笑顔を引き出します。
途中でアイスを食べたり

離島・僻地 看護師 牧丘病院での出会い(山梨市立牧丘病院)

ご本人の体調を考え当初は2~3時間の外出予定でしたが、周囲の予想を裏切り6時間ほどの外出となりました。幸い大きな体調の変化もなく、無事帰宅することができました。

このような関わりが出来たのも毎日の生活の中で、Aさんに寄り添い、そしてそれを実現しようという支える側の想いがあったからだと思います。

正解はないし、不正解もありません。ですが、牧丘病院には「患者さんのためなら、何でもしていいよ」という雰因気が病院の根幹にあります。その上で医療・看護が行われているため、私のような新参者も自分の思う方法で患者さんと向き合うことができたように思います。

牧丘病院での経験は一人の生活者として患者さんを尊重すること、地域を支える上で病院の果たす役割が病気を治療することから、患者さんの生活や生き方を支える場所として存在していることを感じました。
短い時間ではありましたが、多くの方に支えられ自分の人生の軸となる時間を過ごすことができました。
牧丘病院の皆さん、出会った患者さん、ジャパンハートスタッフの皆さんへ感謝しています。本当にありがとうございました。

離島・僻地 看護師 牧丘病院での出会い(山梨市立牧丘病院) スタッフのみんなと

▼山梨市立牧丘病院の詳細はこちらから
https://rikajob.net/archives/hospital/makioka

PAGE
TOP