地域みんなで、いきいきと。気仙沼市立本吉医院が考えていること。
震災前、当院は内科単科で在宅への往診や看護は少なく、病棟では高齢で寝たきりの患者さんが多い病院でした。
震災後、津波で病院が被災し、全国各地からの支援を受けたことを機に、本吉病院は大きく変わりました。
以前は「生活を支援」よりも「預かる」ことが主だったかもしれません。
しかし今は、震災の経験を生かし、「本人家族をどう支えるか」を中心に据えて、地域の気持ちを近くで分かり合える看護に繋げています。
月に何度か院内スタッフだけでなく地域の施設関係者、消防分署等、多職種が集まる研修会を行っています。
年に1度くらいは飲みにケーションというコミュニケーションも企画します。
普段から顔の見える関係が出来ているので、お互い相談しやすく、施設からの相談だけでなく、医療側からも相談する事もできています。
在宅だけが「家」ではありません。生活する場が違うだけで、施設も「家」であり、住み慣れた場所で心地よく暮らせる手伝いをする上で、情報共有はとても大事と考えています。
当院には、「なんでも診ますよ」と言ってくれる医師がいます。「本吉病院は地域の中の萬屋」と言い切っています。
その言葉どおり、地域の困りごと、頼まれごとはほとんど受けているからすごいです!
ありがたい面もあり、時々困る面もあるような・・。でも、昔よりずっと良いと感じます。
こんなお医者さんがこの地域には必要でした。理想が現実になりました。
震災後のある日、「地域のお祭りには積極的に参加しなきゃ」と北海道から支援に来ていた先生からの一言がきっかけで、毎年8月に行われるマンボウサンバ大会に参加するようになりました。
結構楽しいです。どんな衣装でもノリノリの先生たち。研修医や以前勤めていた職員からのリピーター参加も嬉しいです。祭り中、何かあればその姿のまま救護する場面もあり、当直に戻る事もありました。
本吉病院は、小規模多機能病院としての活動をしています。
地域に起こる全ての医療・介護問題の窓口になり、外来・病棟・訪問での診療と介護・保険・福祉活動を通して課題の解決を図る地域に根ざした小規模病院です。住み慣れた地域で健やかな生活を継続できるようお手伝いします。
小さな病院だから出来ること。
良いことをたくさん繋いでいきたいです。